1. 縁付き畳は資源を活かす。
日本は資源が乏しい国ですので、伝統的な建物には自然素材を取り入れた建材が多く用いられています。畳もしかりで、長く伸びたイ草を織って畳表とし、藁を固めて畳床にし、それらを畳縁で覆って縫い合わせています。さらに、高温多湿の気候であっても快適に過ごしていけるようにと、先人の知恵が今に受け継がれています。
そんな畳を定義する上で大切なことは、部材を「縫い合わせる」ということです。そこには、今の時代にも通ずる、日本が世界に誇るべき美徳が凝縮されています。
傷んだ畳を綺麗にする方法は大きく3つあります。部材を全て新しくする「新調」。畳表だけを交換する「表替え」。両面つかえる畳表の裏側を使う「裏返し」です。本来、畳は「畳床」に「畳表」をのせて、縁にはそれらを留めるために「畳縁」をあて、糸で縫い合わせて一つにします。そのため縫い糸を切ると全ての部材がバラバラになり、畳床も補修して再利用でるようであれば活用し、畳表も痛みが少ない裏側を使うことができるのです。