畳縁のすゝめ
髙田織物株式会社編
中途採用畳と畳縁の基礎知識
畳縁の歴史
1.縁付き畳は資源を生かす
畳を保護する畳縁 イグサは香りがよく、吸湿性に優れるという特徴があります。一方で、イグサを使用した畳表が傷みやすいのも事実です。とくに傷みが目立つのが角の部分で、ささくれてしまいがちです。このささくれを防ぐのが畳縁です。元来、畳縁には高い耐久性があり、畳表を保護する役割があります。当然、角が露出した縁なしの畳よりも畳は長持ち。畳の交換サイクルは長くなります。
GUARD
裏側を生かせる畳表 縁付き畳は、畳表と畳床を縫い合わせています。この縫い合わせた糸を切るだけで、簡単に畳表をはがすことができます。はがした畳表は、傷みも日焼けも少ない裏側を表にすることで新しい畳に生まれ変わります。これが畳の「裏返し」です。
LONG LIFE
長く使える畳床 畳床はそのままに、畳表だけ交換することを「表替え」といいます。縁付き畳は畳表と畳床を糸で縫い合わせているので、簡単に畳床を取り出すことができます。裏返し後の古くなった畳も、畳を丸ごと新しくするのでなく、畳床を生かして表替えでリフレッシュ。これも縁付き畳の大きなメリットです。
2.縁付き畳は日常生活にやさしい
部屋の清潔さに一役かっています 畳の角を保護する役割をもつのが縁付き畳です。このほかに、畳と畳を敷き合わせた際にできる隙間をしめる(つめる)役割もあります。これによって、畳と畳の間に埃がたまりにくくなり、部屋を清潔に保つことができるのです。
CLEAN
SAVE MONEY


家計にやさしい、うれしい! 縁付き畳は、実は縁なし畳に比べて価格が安いのです。しかも、裏返しや表替えによって畳が長く使えます。それだけ縁付き畳は家計にやさしいということですね。
部屋の雰囲気を手軽にリフレッシュ 畳を傷みから守る、埃がたまるのを防ぐ。畳縁にはもうひとつ大きな役割があります。部屋の装飾としての彩りです。畳縁は手軽に交換できるので、壁紙を変えるように畳縁を変えて部屋の雰囲気を一新することもできます。
REFRESH
3.こんなに便利な畳縁
掃き掃除、拭き掃除の目安に フローリングの床に掃除機をかけているときに、たびたび陥る「あれ、あそこのところはかけたっけ?」。縁付き畳のある部屋なら、けっしてそんなことにはなりません。一畳一畳をやっつけていく感覚で掃除機をかけると、かけ忘れもなく、効率的に掃除機がかけられるのです。
EASY
PERFECT
部屋のまっすぐやセンターを確認 部屋のど真ん中に布団を敷きたい、あるいはちゃぶ台を置きたい。そんなときにメジャーを持ち出す必要はありません。縁付き畳なら、広さにかかわらず部屋のセンターがあっという間にわかります。几帳面な性格の人にありがたがられる、縁付き畳の意外な側面です。
外国人に畳縁は越境不可のサイン 旅館でよくあるトラブルです。外国人のお客さんが和室でキャリーをゴロゴロ転がすのだとか。当然、畳表は傷みます。しかし、縁付き畳の場合は、不思議とこの手のトラブルが少ないそうです。外国人にとって、畳縁は侵入禁止のボーダーラインみたいなもの?
BORDER LINE
畳と畳縁の基礎知識
畳の芯に相当する部分です。もともとは稲藁を何重にも重ねて作っていたので「藁床」とも呼ばれています。現在は住宅事情の変化にともない、木材チップの圧縮板でポリスチレンフォームをはさんだものが普及しており、吸湿性に優れる天然素材の藁床は高級品として扱われています
畳床の表面を覆うござの部分です。素材はイグサの茎を使用し、綿や麻を経糸に織り込みます。イグサの織り込み量を「打ち込み」といい、織り込む量が多いほど表面がつまって美しく、傷みも少ないとされています。近年はイグサの代用として、紙などを使用した工業表もあります。
畳の長手方向に付けられた布のことです。ポリエチレン糸、ポリプロピレン糸、ポリエステル糸、さらに艶つけ加工を施した綿糸などを組み合わせて織られています。畳表の角の磨耗を防ぐ、または畳を敷き合わせる際にできやすい隙間を「しめる」などの役割があります。
畳縁の歴史 中国の『随書』が記されたのは7世紀半ば。このなかで日本についての記述のある「東夷伝」に、獣の毛皮を畳の縁としたという記述があります。現存する最古の畳は、聖武天皇が使用した「御床畳(ごしょうのたたみ)」で、現在も奈良の正倉院に保管されています。平安時代になると、使用する人の身分により、畳の厚さや畳縁の色・柄が定められていました。本格的に畳が普及するのは鎌倉時代から室町時代にかけてです。書院造りが完成したことで、部屋全体に畳を敷き詰める使い方が一般的になり、畳縁もまた広く普及していったのでした。
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